ツアー料金は適正価格+未来への寄付で良い
世界各地と国内の観光商品を見てきました。似たようなツアーでも、値段に大きなばらつきがあり、物価以外の要因も多々あります。
分かりやすい事例を見てみましょう。
例えば外洋に出てシュノーケリングをする日帰りクルーズツアー。
海外ではハワイ、グアムのほか、フィリピン、タイなどの東南アジア、もちろんパラオやAUSグレートバリアリーフ、ヨーロッパにやアフリカやメキシコなど世界各地に類似商品があります。
<条件>
・仮に世界自然遺産の海だったとしましょう。日本にも沖縄や小笠原、奄美大島などがありますね。
・日帰りクルーズでおおよそ朝8時出航16時帰港
・ランチ付き
・ガイド付きシュノーケリング 30分×2回
物価を除いて一番高い設定がされているのがグレートバリアリーフ(GBR)だと思います。日本の約2倍の料金設定。
何が含まれているかというと・・・
船の諸費用と人件費等のほかに・・
・かなりスーパーな内容の保険
・インストラクターの研修費<レスキュー講習、ガイド講習、救命救急講習、ダイビング団体の実施するその他の研修>
・海洋保全費(オニヒトデの駆除費用含む)
・パトロール費(海上に浮かぶポンツーンにはなんと毎日スタッフが当直しています 人工無人島生活っ!)
・参加した子供への教育費(例えば見た魚やサンゴの育成について船の中で説明があったりします)
・旅行会社やOTAへのしっかりとした手数料
また、海に出るガイドの他に、見張り役が必ず設置されます。日本では船長さんが兼任することが多いですね。
もちろんAED&順酸素もどんな小さな船にも必ず積んでいます(法律が整備されています)。
これによって何が生まれるかというと・・・
・低い事故率と的確な事故対応による世界からの信頼→GBRブランドの構築
・旅行会社が十分なプロモーションをできることによるマスでの集客
・良い経験をした顧客からの拡散またはリピート訪問
・5年後10年後も美しい自然であること=観光資源の継続
高いのには訳があります。そしてそれは正当な料金+未来への寄付で構成されているのです。
八百屋さんのように9800円!12900円!という安く見せる心理の値段設定はまったくもって不要です。
自信をもって届けるサービスがあり、それを享受してHappyになる顧客がいる。日本は土壌として旅行商品が安くありがちですが、少しずつ変わっていくことを願っています。