地域の区割りが起こすマーケティングへの弊害

県や市区町村、または広域の連盟、何か共通項のある自治体の連盟、連絡協議会。様々な組織が観光誘致に尽力しています。世界各地、国内の商談会でたくさんのパンフレットを渡され、帰って読んでみたら重複した内容があまりにも多いことに驚きます。

大きく分けて課題は2つです。

1.どこがどのような役割を持つべきなのか、組織間で共通理解を持つ

例えば市区町村ごとに観光誘致組織がある場合、県はどのような役割を持つべきなのか?市区町村はどのような役割を持つべきなのか?ここ数年主流のオンライン商談会では、県がファシリテーションを行い詳細説明は市区町村ごとというパターンがよく見られます。すべて平等にという考え方が前面に出ていますが、起爆剤となる観光商材がない市区町村がむりやり誘致のプレゼンテーションをしていることも多々あります。県単位で観光誘致をするのであれば、市区町村内でメリハリをつけることも大事です。まずは集客力のあるコンテンツを持った市区町村が受け入れをし、その地域のファンを増やす。コンテンツが開発途上の市区町村は、”穴場”的、”知る人ぞ知る”のような切り口でファンが再訪した際に訪れてもらうようにまずはコンテンツの磨き上げに集中する。旅行会社等へのプレゼンテーションはコンテンツが磨きあがってからで十分です。

理想的なKPI設定の例としては、「向こう3年は〇〇市で+1万人を目指す。他の市区町村で集客力のある観光コンテンツを+5つ開発する」など、握り合って共通理解を持って取り組むことがかなりの時間削減、予算の効率化にも繋がります。

2.果たしてユーザーはその地名で探しているのか?

ここを意識するだけで、WEBマーケティング上でいう流入数が格段に上がります。分かりやすい例でみてみましょう。

日本人はカリフォルニア州に旅行をしたいと思ったときに、カリフォルニア州よりもロサンゼルスという地名で検索します。既存のロサンゼルスへのツアーも、だいたいそのようなツアー名になっていることが多いと思います。ちなみにここにディズニーリゾート入れるとぶっちぎりでディズニーリゾートが勝ち。下流マーケティングの話になりますが、SEO対策としては検討すべきワードになります。

地名を出すのははばかられますが、国内はあまりうまく行っていないケースが多いです。これは国内のある島群です。青が島全体を表す地名で行政区分名ではありません。赤と黄色がそれぞれの島の名前です。赤の観光協会も黄色の観光協会も大変に努力されていますが、残念ながらお客さんが情報を探しているのは全体としての青への旅行です。これをどう解決しますか?青という行政区分はないですが、赤と黄色が県と一緒になって最大公約数青への集客を目指すことが肝要です。