他県と協業することの重要性

県内の区割りに縛られないことだけでなく、県単位に縛られないこともとっても重要です。

考え方は至ってシンプル、ユーザー目線に立つことだけです。分かりやすい例と、民間のアイディアが生んだ成功事例を紹介します。

直島へ行こう!岡山から

ここは有名な直島。ベネッセコーポレーション が目的地マーケティングを成功させた島でですね。岡山県の宇野港の目と鼻の先ですが、香川県の島です。つまり香川県がプロモーションを行っています。香川県は小豆島もありますし、国際芸術祭期間に島めぐりを促進したり、非常に素晴らしいプロモーションをされています。一方で、「直島にちょっと行ってみたい」という日本人のニーズを捉えきれていないのも現状です。

2019年インバウンド客の観光ルートは、43.6%が岡山経由(*観光官公庁 観光白書2020より)でした。これは目的地が直島であれば関空から入るからですが、おそらく観光客は、岡山駅でも玉野市でも直島のパンフレットすら見かけず、不安な思いをしたに違いありません。

香川県だけでプロモーションを行うと、どうしたって一旦高松に出るルートになり、それは高松も素敵な場所ですがもう1泊必要になったり旅費がかさんだりします。岡山の宇野港からなら船で15分です。岡山と香川が一緒に誘致すれば、双方にとって大きなインパクトがあることは間違いありません。

州や県、時には国も超えた観光コンテンツや誘致を行うことで成功している事例がいくつもあります。

そもそも日本人の旅行期間は限られている、そして日本人の旅行スタイルはあちこち見てみたい。海外旅行ならなおさらです。

例えば

1.ローマ発 ナポリの青の洞窟

2.パリ発 モンサンミッシェル

3.オアフ島発 ハワイ島日帰りツアー

飛行機を利用して日帰りでハワイ島に行ってしまうツアーです

4.ニューヨーク発ナイアガラの滝

NY旅行のついでにカナダの一大観光地へひとっ飛び

これらはずべて民間の現地催行会社の企画です。

国内でも、名古屋から白川郷などの人気観光地を通って富山まで北上するルートの開発など、行政団体主導の良いプロジェクトもたくさん見てきましたが、いずれもインバウンドメインのようです。

島国日本では、他県のほうが近いという地理状況の島がいくつもあります。

他県と協業してでもお客さんが一番行きやすいルートを教えてあげること。ただそれだけで集客を加速できるチャンスが大ありです。